したたかな彼女

久しぶりに志保とまりえは会う事になった。 車の免許をもっていない志保を、まりえが実家まで迎えに来てくれた。
二人は中華料理屋へ入って大はしゃぎをする。
なんだかんだいいながらも、やはり二人は気が合い、かなり盛り上がることができた。


しばらくして、エビチリをつつきながらまりえが言う。


「ねぇ、芳樹さんが1週間以上前だけど引っ越したよ」


がっついてでも知りたい芳樹の情報だったけど、あえて流すように答えた。


「そうなんだ」


「お金ためるにはやっぱ実家じゃないとダメって言ってた」


「そうだよね。 まりえちゃんは?」


「うん、私も家に戻ろうかな」


「私がこんなこと言うのも最悪だけど、そうしなよ」


「うん、そうするよ」


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