もう一度君に会えたなら
「今日、買い物行かない? 可愛い雑貨屋を見つけたんだ」
「今日は急いで帰らないといけないの。家族で外食なんだ」

「そうなんだ。いいな。どこに行くの?」
「お母さんの知り合いのお店のイタリアン」
「おいしそう。楽しんできてね」

 榮子は目を細めた。

「買い物は明日行こう」
「ありがとう」

 わたしの成績がよかったお祝いを兼ねて外食と、プレゼントを買ってくれるそうだ。
 お父さんも今日は仕事をそうそうに切り上げて帰ってくるらしい。

 わたしたちはいつも別れる交差点で別れた。
 わたしが家に直行した。
 家に入ると、お母さんが紙袋を手に持ってきた。お母さんも見慣れない茶色のワンピースを身にまとっていた。

「これ、似合うと思って買ったの」
「ありがとう」

 中を確認すると半そでの白いワンピースが入っていた。ギャザーがきいていて、まるでドレスのようだ。

「可愛い。ありがとう」
「せっかくだからこれを着ていったらどう?」
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