HANABI
「きゃあぁぁぁー!!」
「うおっ!」
暗闇の中で、叫び声が響き渡る。
雰囲気を出す為の効果音も、バッチリで。
「超大盛況だよ!!うちのクラスが一番入場率いいんじゃない!?」
ずらーっと列が出来た廊下で、千秋のご機嫌な声が届いた。
「すごいねぇ。あたしお化け役なんかできるかなぁ…。」
「大丈夫大丈夫!!余裕でみんなビビってるから!」
はい、と言われて渡されたこんにゃく。
てか、今時こんにゃくって。
どうなのよ、このお化け屋敷。
…ま、これが一番楽みたいだからいいけど。
「楓?」
「んー??」
「…大丈夫?」
あたしの手が止まる。
その『大丈夫?』の意味が、千秋の精一杯の気遣いだってわかったから
「余裕だし!!」
そう答えて、満面の笑みで返した。