傍ら
「最後に抱き??もうあわれへんで」

そう言って癒愛を差し出した。

俺の顔を見つめて、癒愛は笑っていた。

涙が出そうになる。

莉奈が泣いていた。

俺はこの時僅かだが気がついた。

もう最後だと。

自分のしてきた悪行と、それでも愛してくれた莉奈。

こんな俺を親父に持ってくれた癒愛への裏切り…

全部俺が…俺が悪かったんだと。
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