彼の情事と私の事情
プールでやっちゃってました!?
もうすぐこの憂鬱な季節が終わる…というよりこの授業。

泳ぎが得意じゃないのが一番だけど、水着も嫌だ。
スタイルがよければまだマシなんだろうけど…残念ながらの貧乳。

しかも。プール最後の授業は水泳大会、今までの成果を思う存分発揮して。て16年間上達しなかった私がひと夏で50も100も泳げるようになるわけなく。
みんなは人魚で自分は蟹なんじゃないかって思えた。



ヤバィ緊張してきた…

「あおい?何処行くの?」

「ちょっと。トイレ」
コンクリートのソノ所に足早に入る。と、小さな声がする…

外からだ。窓の外に誰かいる。

ついつい興味本意で近づく…
「ね!ちょっとだけなら大丈夫だって。」

男の人?

「え?ココで?」

女の人もいる?

…人影が見える。もうちょっとだけ…窓に手をかける…


あ…見えた


緑色の錆びたフェンスと冷たいコンクリートの壁。その間には生いい茂った草と声の主がいた。
女の人が私に背を向けて首を微かに上げる、男の人は少しかがんで女の人に唇を寄せる。

それはパンドラの箱
開けてはいけないと言われると開けたくなる。見てはいけないと思いながら目が離せない。


男の人がゆっくりと目を開ける。
目が合った。

片方の腕で女の人の肩を抱き、もう片方の手の人差し指を出すと


シー…と私に合図する。

私は弾かれたようにトイレを飛び出した。


「どうしたの?顔真っ赤だよ!」

「あっ。ち…ちょっと走ってきたから」

初めて生のキスシーンを見たことの驚きと、覗いてしまったことの恥ずかしさで。もう何がなんだかわからなかった。

そんな中私の番になってしまい。気を取り直して飛び込んだ…



バシャバシャと水をかく
息が苦しい
目の前をブクブクと私の口から出た泡達が通り過ぎる

こんな時 思い出さななくてもいいことを思い出す。

そうだ。私トイレ済ませてなかった。

勘弁してよ…

息が苦しいのか。トイレに行きたいのか。どちらを我慢してるのかわからないけどとにかく苦しい。



プールサイドの歓声が遠くに聞こえる中…意識が遠のく



あぁ…プールって思ったより濁ってる…



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