黄昏の千日紅





私は、結局一人だったのだ。




産まれてから今の今まで、ずっと。




そしてこれからもきっと。




本来の両親に捨てられ、両親だと思ってきた人は私の所為で死に、再び一人になり、唯一の存在の祖母も居なくなってしまった。




大好きだった、優くんさえも。









何故優くんは、あれから一度も私の元に会いに来てくれないのであろうか。



私が孤児院に入っていた養子だと知り、嫌気がさしたのか。




気持ち悪いとでも思われたのであろうか。



義理の両親を殺した犯罪者だとでも思っているのであろうか。







あんなに優しかった義理の両親も、祖母も、優くんも。





私にはもう何もない。


空っぽだ。






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