黄昏の千日紅
高校二年に進級し、私は飛鳥と同じクラスになった。
最近、よく夢を見る。
いや、毎日夢は見ているのだろうけど、浅い眠りなのか、目覚めてから夢を覚えていることが格段に増えた。
小さい頃の私が暗闇の中に居て、私よりも歳上の男性が目の前でピアノを弾いている夢。
何の曲を弾いているのかは分からない。
男性の顔も、靄がかかったようにはっきりしない。
しかし男性がピアノを弾き終わると私にそっと近付き、耳元でそっと何かを囁くのだ。
だが、その言葉も目が覚めると覚えていない。