黄昏の千日紅
ヒマワリ





この学校は、東棟と西棟で分かれており、殆どの生徒は主に東棟を使用している。



西棟には美術室と図書室、そして特級クラスという珍しい教育の場が設けられており、使用する生徒はたったの二人だけである。




東棟から西棟へ行く生徒と言えば、文系のクラスの選択教科で美術を選考している者や図書室を利用する者くらいで、西棟へわざわざ足を運ぶ生徒は居ないに等しいものであった。




斯く言う僕も、理系のクラスの為に一度も西棟へ行ったことはない。




しかし、行ってみたいと思ってはいた。




西棟にある、特級クラスに通う二人の生徒は、男女一名ずつ。




その二人は、なんでも、天才的な才能の持ち主であると噂で聞いた。






< 32 / 284 >

この作品をシェア

pagetop