君の瞳に映りたくて。

和泉のことを教えて下さい。



***


………で、どうしよう…


「舞桜~、早くしないとみんな帰っちゃうよ?」


「わ、わかってるよ!」


わかってるんだけど…話したこともない男子に話しかけるというのはやっぱり緊張するもので…

し、しかも和泉のことを聞くわけで…


男子と全く話さない私にはレベルが高いよ!!


「あ、あいつ。
なんか知ってる気がする。」


そう言った和泉の視線の先には同じクラスの香坂祥也(こうさか しょうや)。


「香坂かぁ…確かに和泉と仲良いけど…」


なんでよりによって香坂なの…
なんかちょっと怖いし……サッカー部の中でもクラスの中でもかなり話しかけづらい部類の人だよ…


「早く早く!あいつ帰っちゃうよ!」


「わ、わかったよ…」


もう!やけくそだよ!
女は度胸と愛嬌だよ!


「こ、香坂…」


「あ?」


うわー!!やっぱり怖い!
こいつに愛嬌はないのか!全く!


「あの…ちょっと話があって…」


「………告白なら他を当たって。」


…へ?こ、告白…?


「………ち、がーう!告白じゃないよ!」


なんで私がお前に告白しなきゃいけないんだ!!
…って!なに私香坂に向かって怒鳴ってんだ!


「…ふ、ははは
ほんっとお前って見てて飽きないよな。」


「………へ?」


香坂が笑った。
香坂が笑ったよ!


「で?話ってなに?」


「あー、ちょっとここだと…
場所変えても良い?」


「あぁ、わかった。」


な、なんだ。
話してみると普通のやつじゃないか。
よかったー…



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