この夏の贈りもの
☆☆☆

翌日、目が覚めると教室にいた。


横を向くとそこには和がいる。


あたしより先に起きていたようで、「おはよう」と、声をかけられた。


「……おはよう」


恥ずかしくてそっぽを向いた時、ふと気が付いた。


あたし仰向けで寝てたのに、あの頃の夢を見ていない……。


「どうした?」


「なんでもない」


あたしは左右に首をふり、上半身を起こした。


もうこの学校とはさよならだ。


そしてあたしの苦い思い出とも、ここでさよならをしよう。


あたしは確かに男子たちと会話して、男子たちと遊ぶことができたんだ。


たとえその相手が幽霊でも、あたしは苦手を1つ克服できているのだ。
< 214 / 218 >

この作品をシェア

pagetop