この夏の贈りもの
あたしは声を荒げてそう言い、勢いよく立ち上がった。
本当は出るつもりなんてなかった。
だけどアイスは食べ終わってしまって玄関まで出ない理由もなくなってしまった。
それなら居留守を使い続ければいいのだけれど、そこまで悪い人になりきれない自分が恨めしかった。
わざと大きな音を響かせてドアを閉め、ダンダンとさっきよりも大きな足音を響かせて階段を下りて行く。
その間にも2度、チャイムは鳴らされた。
大股に玄関まで出て行くと、黒い人影が見えた。
「はいはい、どなたですか!?」
怒鳴るようにそう訊ねると、「住田唯人(スミダ ユイト)と言います」という、丁寧な言葉が返って来た。
住田唯人?
聞いたことのない名前だ。
あたしはお母さんのサンダルを引っかけて玄関に下り、のぞき穴から開いての顔を確認した。
玄関先に立っていたのは黒い学生服を着た男の人だった。
スラリと背が高く、まるで芸能人のように綺麗な顔立ちをしちている彼に、一瞬心臓が高鳴るのを感じた。
イケメンだからって見ず知らずの人にときめくなんて、ありえない。
本当は出るつもりなんてなかった。
だけどアイスは食べ終わってしまって玄関まで出ない理由もなくなってしまった。
それなら居留守を使い続ければいいのだけれど、そこまで悪い人になりきれない自分が恨めしかった。
わざと大きな音を響かせてドアを閉め、ダンダンとさっきよりも大きな足音を響かせて階段を下りて行く。
その間にも2度、チャイムは鳴らされた。
大股に玄関まで出て行くと、黒い人影が見えた。
「はいはい、どなたですか!?」
怒鳴るようにそう訊ねると、「住田唯人(スミダ ユイト)と言います」という、丁寧な言葉が返って来た。
住田唯人?
聞いたことのない名前だ。
あたしはお母さんのサンダルを引っかけて玄関に下り、のぞき穴から開いての顔を確認した。
玄関先に立っていたのは黒い学生服を着た男の人だった。
スラリと背が高く、まるで芸能人のように綺麗な顔立ちをしちている彼に、一瞬心臓が高鳴るのを感じた。
イケメンだからって見ず知らずの人にときめくなんて、ありえない。