恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~


例えば、食事も普通にすればいいのに。

シェフのお任せサラダにフォークを突き立てて、辛うじて引っかかったレタスを口に運んでいく。

彼女は、葛城さんが二人きりの時どんな風なのかと質問してきた。

正直に彼の反応を答えた方がいいのか、あくまでも誤魔化した方がいいのか判断が付かない。


どうしてるのか、と聞かれても。私には普通ですとしか答えようがない。

新婚家庭みたいに熱々ですよなんて言ったら、目の前のフォークが飛んで来そうだもの。

だから、私は頭で考えたことを言うしかない。


「だって、二人になったからって特別変わった事ないですよ。葛城さんはいつも通りですし」

「ムカつく」真梨香さんは、とうとうメインの高級ステーキにブスッとナイフを突き立てた。

「昼間っから肉でも食べないとやっていけないわ」

そう言いながら、厚めの肉を切り分けてどんどん口に放り込んでいく。

「うらやましい限りで」

昼からそんなに食べて、よくそのプロポ―ションを維持できるのか不思議だ。


< 226 / 267 >

この作品をシェア

pagetop