ダイエットの神様
 母親のヘソクリで、気分的には
楽になったけど、無駄遣いはせ
ず、やりくり主婦のように切りつ
めた生活が続いた。
 生活が順調だと、カラダの調子
もよく、4ヵ月も過ぎると元の体
型に戻っていた。
 スーパーでは顔なじみの店員も
増え、知らない料理方法なども教
えてもらったりして、生活を楽し
む余裕が出始めた。

 紗枝が買い物から帰ると、家の
中から母親がひょっこり現れた。
「あら!紗枝ちゃん、痩せた
ね!」
「お母さん!」
 照れたように微笑む、紗枝。
「おばあちゃんはどう?」
「ええ、もう大丈夫よ。心配ない
から帰れって、言われちゃった
わ」
「そう」
「紗枝ちゃん、食事はまだ?」
「うん。私が作ってあげるよ」
「へえ!本当!」
「でも、たいしたものできないけ
どね」
「あら、誰に似たんだろう?」
(お母さんだよ)

 しばらくすると、紗枝はちょく
ちょく、家から出て散歩するよう
になった。
 すると街の景色が、今までとは
違って、新鮮に見えた。
 気がついたら高校の近くまで来
ていることが多くなった。
(そろそろ行ってみようかな)
 紗枝は高校に行くことを決め
た。
 次の日、久しぶりの学生服を着
ると、前よりも痩せて大人びた感
じになっていた。
< 5 / 16 >

この作品をシェア

pagetop