雨を待ちわびて

「またこうして、朝ご飯を一緒に食べましょうか。守田さんが嫌で無ければ」

「あ、私は、嫌だなんて事はありません」

「では、通常勤務の時は守田さんの通常の食事の時間に。今朝みたいな夜勤明けの時はこのくらいの時間に」

あれ?ほぼというか、いつも一緒に?

「先生?」

「はい?」

「いつもになりますよ?」

「あ…そうですね、そうでした。毎回はいくら何でも…駄目ですよね」

「え?」

「僕、いつも、独り飯なんですよね…。味気無いものだから、つい」

「そうなんですか。んー、私で良ければ構いませんよ。私も独りご飯じゃないですか」

「あ…そうでしたよね。僕とした事が、…全く配慮が足りませんでした。許してください」

「大丈夫です。事実ですから、謝るなんて可笑しいです。先生も私も孤食ですもんね」

…あ、お家に帰ったら彼女さんとか、一緒に食べるのかも知れないな。

「あー、今、チラッと思った事はハズレですよ?僕は家でも孤食ですから」

「あ…、はい…」

…簡単に読まれちゃった。

「何か飲み物を買ってきましょう。何がいいですか?
ミックスジュース?珈琲?ミックスジュースにしましょう。これはついでに下げて来ますから」

「あ、でも、先生にそんな…」

「いいんですよ。今はただの男ですから」

「でも…すみません。有難うございます」

「ジュースを買って来たら、中庭に出て見ませんか?」

「でも…」

独占しているみたいにならないかな。

「今は普通の男ですから、気を遣わないでください」

「はい」
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