雨を待ちわびて

「食堂に行ってみても良かったのですが。ま、…人の目もありますからね」



「白衣を脱いでいると、変わった目で見る人もいますからね」

あ、そうだ…誰かと居たら特定の関係だとか、勘違いされるという事だろう。

「先生も、朝は和食なんですか?」

「ん?食べられる時は、やはり和食がいいですね。ご飯と味噌汁というのは、やはり日本人のDNAでしょうか、ホッとしますね」

私の物は勿論病院食のご飯なんだけど、先生は食堂から持ち込んで来たみたいだ。

「…普段、喫茶ルームに行く事も少ないんですよ。…悩んでる顔も、あまり出来ないでしょ?僕、一応こう見えて先生だから。ここ、ちょっと笑うところですよ?
こんな事、患者さんに言う事ではないですね。うっかりしてました」

「今は、先生じゃないからいいんじゃないですか?
…プライベートな時間ですよね?
私なら気にしないでください。先生だって人間なんですから。
感情だってあるんですからね。普通の事です。
あ、何だかすみません、偉そうに…。先生でもないのに」

私がお世話になっている立場だというのに。
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