ALONE
ENTER









もうシュウジと漫喫で別れてから三日が経った。




俺は一人瀧本のマンションにいる。



あいつからの連絡は全くない。



『…あいつマジ何考えてんだよ…』



俺は横になっていたソファから乱暴に起き上がると



半ばBGMがてらにつけていたテレビを消し



携帯片手にマンションを出た。





あっちがその気なら俺も単独で動かせてもらう。




行き先?



決まってる。





兄貴の部屋。




この三日間



どうしてもあのパソコンに入力したい半角英字があった。






KAWASAKIFX






あのパスワードを解けるとしたら





もうそれしか俺の頭にはなかった。




停めておいたFXに




エンジンをかける前にそっと触れる。







『兄貴…そうだろ?』






俺は出たはずの家にまたしても帰宅する。
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