雨の恋路

「俺とお前は終わったじゃないか!雨美と俺の間に入ってこないでくれ!」


「終わった?」


「そうだろ。お前は俺を捨てた」



光……。


光の袖を、ぎゅっと握る。

それに気付いた光は「大丈夫」と振り返って微笑んだ。


すると急に、咲希さんが声を出して笑い始めた。





急に笑い出した咲希さんに、
あたしも光も首を傾げる。



「光~、強がりもそのへんにしときなさい。本当はあたしのことまだ好きだって言って良いのよ?」


「なにを馬鹿な…-」



「ねぇ、本当は忘れられないんでしょ?言ってたじゃない。あたしを何度も抱いて『咲希が好きだ。愛してる』って」




ズキッ―


確かに、光と咲希さんは付き合っていた。


光が咲希さんのことを本当に好きだったのは分かってる。




だけど、実際に聞くと……。



頬に、何かが伝った。

光はそれに気付くと、急いで自分の袖であたしから零れ落ちる涙を拭う。



「それは過去のことだ!お前なんかをもう俺は愛していない!」



光の声が、
空へと響き渡る。


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