ロストマーブルズ
「どうしたんだ、ツクモ。初めて来る場所だから警戒してるんだな」

 ジョーイは頭を撫ぜてやり、安心させようとした。

 その時、家の奥から、物が落ちるような音が聞こえた。
 ツクモは益々警戒し、邪悪な表情をする。

「仕方がないな、とにかくお座り、シットダウン」

 ジョーイが指示を出すと、ツクモは渋々と玄関で座った。

「そろそろご飯の用意しなきゃいけないな。おーい、トニー、今晩何食べたい?」

 ジョーイは声を掛けながら居間へ入っていった。

 だがそこで、ジョーイは自分の見たものが信じられないでいた。

「えっ?」

 ガムテープで口を塞がれ、両手両足を縛られたトニーがソファーに寝転がっている。

「ウグググググ」

 涙目になりながら、トニーは必死に訴えていた。

「トニー、一体何が起こってるんだ」
 
 その時、キッチンから包丁を持った男が出現した。

「ハーイ、ジョーイ」

「ギー!」

 ジョーイはこの上ない恐怖に血の気が引いていった。
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