ロストマーブルズ
「グッモーニング」

 生徒たちに掛けるシアーズの声が、校門に近づいた時に良く聞こえてきた。

 ジョーイも歩み寄り、自ら進んで声を掛けた。

「(シアーズ先生、おはようございます)」

「(おはよう。ジョーイ。気分はどうかね)」

「(はい、絶好調…… とまでは行きませんが、すっきりした気分です。テトラドラクマ銀貨とフクロウの関係も分かったことだし)」

 シアーズの口角が上がり、眼差しが和らいだ。

「(そっか。それでこれからどうするつもりだ?)」

「(どうするも何も、ただこのまま高校生活を続けてしっかり勉強するだけです)」

「(何をしたいのか、進路はもう決めたのか)」

「(はい、俺は人の役に立つことをしたいです)」

「(例えばどんな?)」

「(もちろん、スーパーヒーロー)」

 制服のポケットから、キノの黒ぶち眼鏡を取り出してそれをおもむろに掛けた。

「(なるほど、クラーク・ケントってとこか。せいぜい頑張れよ)」

 シアーズもそれなりに合わせていた。
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