秘書室室長がグイグイ迫ってきます!
「それなのに、痛い顔ひとつ見せず、エレベーターで降りる俺たちを階段で追いかけてきた」
そういえばそうだった。
面談が終わったとき、他の秘書に少しだけ呼ばれ、エレベーターに乗れず階段で追いかけた。
「ほら、乾いた。ベッドに入れ」
「ありがとうございます」
肩下十センチほどの髪は、彼のおかげでサラサラに乾いた。
布団を掛けてくれた彼が「温まったか?」と私の足先に触れるから、ビクッと震える。
「はい」
「ついでだから、マッサージしてやる」
「え……」
あの聡さんを悶絶させたマッサージ?
「あっ、あのっ、もう本当に大丈夫です。だから帰って……」
私がそう口にすると、彼はギロッとにらむ。
「帰れないですよね。あれでは……」
濡れたシャツのことをすっかり忘れていた。