《短編》時計仕掛けのカトレイヤ
『君はね、カトレイヤ。その胸にある時計が、24時になった時、停止するんだ』
『胸の……時計……』
私は、自分の胸元を見下ろす。
すると、そこには懐中時計のような時計が胸に埋め込まれていた。
『停止したら、どうなるの…?』
『停止と死は同義、つまり……』
『私は死ぬ』
『君は、賢いね』
ー今は0時3分。
そう、つまり私はこれから24時間後に死ぬということだ。
『それまで、君は自由にするといい、カトレイヤ』
『はい、お父様』
『私の可愛い、可愛いカトレイヤ、さぁもう一度眠るといい』
その言葉に誘われるように、また眠気がやってくる。
お父様……私もお父様が好き。
私を作り出してくれた、唯一の人。
『24時……今日が終わるその時までに、君は何を得るのか……』
意識を手放す瞬間、大好きなお父様の声が聞こえた気がした。