笹に願いを
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入院中、「エブリクラブ」編集部のスタッフ全員がお見舞いに来てくれた。
日にちを分けて2・3人ずつで来てくれたのは、私の体調を考慮してくれたのだろう。
みんなにはまだ私の口から自分が卵巣がんであることは言ってないし、岡部編集長も天野くんも、まだ公表していないけど、みんな薄々感づいているような気がする。
少なくとも「ただの病気じゃない」と思ってるような、そんな感じ。

天野くんは、毎日お見舞いに来てくれた。
手術を終えた日も、入院していた間も。
私が退院しても、天野くんは毎日会いに来てくれた。

・・・よく考えてみたら、天野くんとは入院する前夜から毎日会っていたことになるんだ。
一緒に仕事をしていた頃にだって、1週間以上毎日連続で会ったことはない。
その上、私の退院後、彼は時々うちに泊まっていくこともあるし。
二人で笑って泣いて・・・キスもして。
喜びと悲しみだけじゃなくて、愛情も分かち合ってる、私たち。
これも病気がつなげてくれた縁なのかなと思うと、何だか・・・不思議。

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