笹に願いを
「私も。なんかさ、神聖な感じするよね。それに潮浜海岸って波の音も聞こえるから余計神聖さが増すっていうか・・・あ、そうだ。天野くん」
「ん?」
「サーフィンの道具、どこに置いてるの?」
「最近はレンタルオンリー。今はもう年に片手で数えるくらいしかサーフィンしてないから」
「あぁ、そうなんだ。今日は?しないの?サーフィン」
「しない。今日はおまえと一緒に浜を散歩するだけでいい」
「・・・ぅん」

一旦立ち止まっていた私たちは、ゆっくりしたテンポで再び歩き始めた。
天野くんちを出たときから、どちらが言ったわけでもなく、それが自然だという感じで手を繋いだまま・・・。

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