笹に願いを
・・・この、早い流れに乗っていいのか。
私たちの関係をここまで進めていいのか。
戸惑いが全くないと言えばうそになる。
でもそれ以上に、今は迷う時間が惜しい。

『俺は、おまえがいて、できれば海もあれば、もうそれでいい。他に何もいらね。おまえがいるだけで俺、すげー幸せだから。俺のその気持ちはずっと変わらない』

私もだよ、天野くん。
いつも、あなたと海がそばにある暮らしができれば、それで十分幸せなの。
だから、私たちの関係をここまで進めてもいいのかな、って迷う暇があれば、この流れに乗っちゃうほうが、ずっと生産的だよね。

「じゃあ俺んちで同棲開始ってことで。決まりだな」
「ていうかー。すでにそういう状態なんだよね、私たち」
「だから一応改めてってことでだな」
「はいはい。・・天野くん」
「ん?」
「後悔、しないよね」
「しない。って言いきれるような毎日を過ごそう。それだけでいいんだよ」
「・・・うん」


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