笹に願いを
「そーだな。じゃあ俺んちかおまえんちだな。俺はどっちでもいいよ。できれば海の近くがいいが、マジで“できれば”だから。おまえんちの方が俺んちより若干広いし」
「でも近くに海ないよね」
「・・・いいのか?病院遠くなるぞ。通勤も時間かかるし」
「今はあなたの海彦に乗せてもらって一緒に通勤してるじゃない。病院は・・確かに遠くなるけど、それでも何時間もかかるような距離じゃないでしょ?」
「もっと近くの病院に変えるか」
「ううん。今はまだ病院変えたくない。私、須藤先生を信頼してるから。でも治療中に、距離的なことでどうしても解決できない問題が起これば、須藤先生に相談して、この辺の病院を紹介してもらおうと思ってるよ」
「おまえが俺と同じことまで想定済だったとはなぁ」
「フッフー。それに、こっちは近くに海があるじゃない」
「おっ。ということはー、やっぱおまえも海好きなクチ?」
「海が大好きな誰かさんの影響を多大に受けまして」

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