笹に願いを
『俺と一緒に過ごすこと。それと、もうおまえからはプレゼントもらってるし』
『え?私、あなたに何かあげたっけ』
『ああ。今日もおまえが生きてること。毎日とびっきりの笑顔を俺に見せてくれること。それと、俺を愛してくれてることもだな』
『よ、よしひこ・・・』

ついホロリと涙が流れた私は、彼にすり寄った。
そんな私を、彼はそっと、そしてギュッと抱きしめてくれた。

『ありがとな、織江』
『ありがと・・・あいしてる、義彦』

・・・彼の逞しい胸板、熱い体。
ここが私の居場所。
ここが私の世界。
まだ離れたくない。
来年もまた、彼の誕生日を一緒に祝いたい。
元気な姿で。健康な体で。

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