オトナの恋は強引です!
ドラゴンは1泊してから帰ると言い、
温泉や新鮮な海の幸を楽しんだ。
「余裕なんだねー。」
と豪華な食事を運んできたアニキは
ドラゴンと一緒に飲みながら楽しそうに夕飯を摂っている。

お兄ちゃん、ちゃんと働きなよ。
と心の中で思う。

「うん?だって、お父さんに許してもらうしか道はないでしょ。
温泉なんて久しぶりだから、ゆっくり出来たな。
それにサクラの育ったところも見てみたかったし。」と隣に座った私の顔を見る。

ふうん。とドラゴンの顔を見ると、
穏やかな瞳で私を見ている。

「…な、なに?」と聞くと、
「やっと落ち着いて、俺の隣にいるなって思って。」と大きく微笑む。
相変わらず、イケメンだ。
私は顔を赤くして、
「ビールとってくる。」と立ち上がろうとすると、ドラゴンが手を掴んだ。
「愛してるよ。サクラ。」と耳元で囁く。
アニキが「ヒュー」と声を出す。

私はますます顔を赤くして、
「さっき、聞いた。」とちょっと睨んで部屋を出る。

「可愛くねえな。竜二さんはあんなんでいいの?」とアニキの声が聞こえる。
「まあね。ふたりきりの時はもうちょっと素直だ。」
とドラゴンの笑った声が聞こえた。

聞こえてるってば。
あんまり恥ずかしい事は言わないで欲しい。






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