オトナの恋は強引です!
「だから、気にしないで。っていったでしょ。」とタイガさんが私に声をかける。
私が赤くなってうなずくと、
「竜二さんはちっとも隠す気がないよ。サクラちゃんがいない時も、
『俺の嫁。』の話はお客さんにも話すよ。」と笑う。
「へ?なんて?」と聞くと、
「可愛くて、しっかりしてるって。俺にピッタリだ。って。」
と笑うので、恥ずかしくなって下を向く。
「はい、サクラちゃんも、働いて。」とタイガさんは香ばしいチーズの香りがするピザを置く。
私は慌てて、ピザを持って、客席に出た。

賑やかな店内。
タイガさんが作る美味しい料理。
お客さんの楽しそうな顔。
ドラゴンがカウンターで笑う。

やっぱりこのお店が好きだって思う。

お客としてずっとここに来てたけど、
ますます、好きになっていきそうだ。

私も笑顔で、背中をのばして、店内を歩く。

「お待たせしました。」とテーブルにピザを置いた。

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