【完】素直じゃないね。
男子と話してたのに、それを切り上げて来てくれたの?
あの時、あたしを見つけて走ってきてくれたの?
あたしの仕事を手伝うために──。
……だめ。
こんな都合いい解釈しちゃだめだ。
そう思うのに、なんでこんなに嬉しくて泣きそうになってるんだろう。
もう、好きって気持ちは、これ以上積み重ねたくないのに。
高嶺のせいで、頭ん中ぐちゃぐちゃ。
だけど、きっと明日には、いつものように降ろされた髪が風になびいているんだろう。