【完】素直じゃないね。

「助けに来た」







「つかさちゃん! あのね、今週末、一緒に遊びに行かない……?」


──ちーん。


登校直後。

とことこと駆け寄ってきた乃亜に、とんでもない爆弾を落とされ、あたしの思考回路は見事にショートした。


い、今、乃亜なんて言った……?


乃亜と、あの乃亜とデート……?


あたし……天に召されるのかな?

そうか、その時が来たのね。


っていうか、恥じらうように頬をほんのりピンクに染めてあたしを誘う乃亜、可愛すぎてどうにかなりそうなんだけど──。


「……行くっ!」


一瞬、幸せと驚きと感激と萌えとで羽ばたいていきそうになった意識をなんとか繋ぎ止め、あたしは声を張り上げて答えた。


槍が降ろうと、なにが降ろうと、地面を這ってでも行きます……!

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