【完】素直じゃないね。
「高嶺っ!」
やっとの思いで屋上に辿り着いたあたしは、その名を呼びながら、勢いよく屋上の入り口のドアを開けた。
開放的な景色の中で、高嶺がこちらを振り返って、目を瞠っていて。
「つかさ……」
あたしは高嶺に駆け寄りながら、叫ぶ。
「お願いだから、早まらないで……!」
やだ、死んじゃやだ──!
「おまえが早まんな」
「……へっ?」
返ってきた声に、あたしは足を止めて高嶺をはたと見つめた。
今、なんと?
よくよく見れば、高嶺は呆れた表情を浮かべていて。
……あ、れ?
高嶺がこちらに歩み寄りながら、ため息をついた。
「おまえさぁ、俺がここから飛び降りようとしてるとでも思ったわけ?」