ダメオトコに恋して、バカ男に恋されて。
あれは1年の秋の終わり。

「瑠依ー。俺、香先輩ともーダメかもしんねー。」

「えー。なんで?」

「……。先輩、全然本気になってくんない(笑)」

「あはは。残念。振られるね、それ(笑)」

「おまえよりかマシだわ!すでに振られてんだろーが!」

当時、瑠依が付き合ってた2年の先輩の友達で知り合った彼女と付き合って4ヵ月と少し。

彼女から告られたけど、可愛いし、年上で、俺なりに好きで、頑張ってたけど、いつの間にか温度差がなんかあって。

同じ時期に付き合ってた瑠依は
1ヵ月もしない間に別れてて。

「しかも円満別れとか意味わかんねーし!

何したんだよ、おまえ。」

「んー。別にー?付き合って、って言われたから付き合って、別れたいって言われたから、別れた。」

「おまえマジ意味わかんねーよ。」

「あはは。難しく考えんなって。めんどくさいなー。」

「めんどくさいとかじゃないだろ。いちおまだ彼女だし。」

「すげーな(笑)辰巳。かっこいいー♡」

「ウザイ。」

「あはは。ひでー。」

そんな会話をしてれば、
いつものように、

「瑠ー依くん♡」

「あ、凪〜。まだ帰ってなかったの?」

「うん、莉子が用事あるから待ってるー。」

「そっか〜。」

「瑠依くんは?帰んないの?」

「うん、辰巳の恋バナ聞いてる(笑)」

「……おまえ、マジウザイ。」

「あはは。ウケる。横山、あんた、瑠依くんに恋愛相談してんの?瑠依くんそっち系、全然役立たずなのに(笑)?」

「すげー。よくわかってんじゃん。」

「……おまえらマジ酷くない?それ。」

瑠依の手が頭に乗る度に
可愛く笑う凪。
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