冷たいストーカーに心が乱されています
「あら?今日は中に入ってきてくれたのね?」

さっそく紅さんは碧くんに気がついたみたい。

碧くんは黙って、頭をさげている。

カウンター席に座った碧くんは、着替えてきた私をじーっと見てる。

テーブル席にコーヒーを運ぶ時も、ケーキを運ぶ時も、会計する時も。

「お姉さん、会計お願いします。」

続けて会計をしていて、高校生の男の子二人の時になると。

『800円になります。』

「お姉さん…あの…彼氏いますか?!」

真っ赤な顔した男の子が、そう聞いてくる。

私も鈍い訳じゃないから、好意を感じてはいたけれど。

『いませんよー。別れたばっかりなので、あまり聞かないように。ありがとうございました!』

それだけ言ってニッコリ笑って、お帰りを促す。

お釣りも渡したし、おしまいだね。

ちょうど良く、紅さんが呼んでいる。

きっと碧くんのコーヒーができたのね。

返事をして、そこから立ち去る。
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