結婚相手の条件



葵の事、諦めないよ
そう笑いながら席を立った秀人



「こちらにも考えがありますので」



井内さんが発した言葉が
秀人に届いたかどうかはわからない
まさかの真実に頭がついていかない




「ちゃんと貴方に話したかったのに、どうして勝手な行動を取るんですか?今朝、言いましたよね?」



『…はい、すみません』



アパートに戻り
何故、井内さんが
秀人と会う事を知っていたのか
聞こうとしたが、それより、と
説教を受けているところ


井内さんが言うことは最もだ
私が井内さんの言う事を
聞かなかったから悪いんだ
もし、井内さんが来なかったら
何も知らずにいたのだろう


『…けど、どうしてわかったんですか?』


スミレは休みでいない
それをわかったとしても
あのホテルのバーにいるなんて
誰にも言っていない


< 110 / 131 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop