結婚相手の条件



「まず一つ、貴方の後輩である荒木スミレ。有給申請の時に俺に言いに来ましたよ。自分が休みの日は必ず貴方を送り届けてくれと。だから貴方が彼女と食事に行くと知らせてくれた時、やはり自分だけで話をつけるつもりだと確信しました」



あー…、何てことだ
スミレが事前に言っていたとは、
これは予想外、だ
頭を抱えそうになったが
まだ一つ、わからないことがある



『じゃぁ、あのバーは?』



あのホテル自体、私は初めて行った
それに秀人とのやりとりは
私のスマホだけ
どうしてわかったのか…



「一か八か…でした」



一か八か?
井内さんは秀人にも見せた調査票の一番最後のページを開いてくれた
そこには幾つかの画像がプリントされていて、秀人と知らない女性が写っていた



「彼はあのバーをよく使ってました。貴方と付き合っている時も、」


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