結婚相手の条件
んーっ!!
終わったー、と
腕を上に伸ばし肩をほぐす
やっと終わった、と周りを見れば
誰一人残っておらず
仕事を依頼した人すらいない
なんなんだよ、と言いたいところだけど
終わったのならさっさと帰りたい
月曜日から残業なんてついていない
早く帰ろうと片付けをしていたら
あ…総務に行かなきゃいけない
面倒だと思いながら
内線で済まそうと受話器を取った
「終わりましたか?」
後ろからの突然の声にギョッとした
嫌味でも言われると面倒だと思い
振り返り終わったことを伝えた
総務課長はすでに帰る支度を済ませていて、手には鞄が握られていた
『すみません、私待ちでしたか…』
「ええ、貴方待ちです」
すかさず返された言葉に
すみません、と再度謝ってしまう
それから何故か二人で会社を出て
駅へと歩き出した
気まずい…沈黙を破ったのは
総務課長だった