甘美なキョウダイ
美優は取り繕うようにその顔に笑みを浮かべて誤魔化そうとする。
いつもは花をも恥じらうような可憐で儚い雰囲気の美優が、悠斗に連れられてきた今日は違って戸惑っていた西條親子はオロオロと美優の変わりように振り回される。
悠斗は内心苦笑しながらそんな美優をからかっていた。先程の写真の仕返しをしているのだ。
美優は快楽に酔っている内にこんなところへ連れて来られて、しかも絶対に行きたくもない家族旅行の計画を立てられていて不機嫌度はマックス。
(ヨーロッパに行ってお城巡りはしたいけれど、悠斗以外はいらないわ)
「僕の仕事が一週間も休みが取れなくてねぇ…。リゾート地にゆっくり滞在と言う手もあるかな」
そんなもの絶対にお断りの美優である。
一週間も一緒に過ごしたら美優はストレスで胃に穴を開けそうだ。
悠斗はそんなことを思いながらも(さてどうしようか)と思案する。
実は悠斗は美優と違ってこの旅行には賛成だ。一週間程過ごせば数カ月は美優をここに余り連れて来なくていいのだから。
もう直ぐ悠斗は仕事が最も忙しい時期に入るので、美優をマンションに置いておける状況は美味しい。