専務に仕事をさせるには
「個人のお願いということは、もしかしてこれあなたの自腹?」
私は頷いた。
「あなたって馬鹿? あなたみたいな若いOLが貰うお給料なんてしれてるでしょ? どれだけ会社の為にお金を使うの?」
津寄与ママだけではなくそこに居たママ達皆んなが呆れていた。
「お給料は…ママやホステスさん達に比べたら少ないです。 でも皆さんだって…」
「そりゃ私達ホステスはお客様にお金を使うわ! お客様のお誕生日のプレゼントや会社へお中元やお歳暮も送る。時にはお客様の奥様やお子さんのお誕生日のプレゼントも用意したりするわ! でもそれはあくまで自分の売上に繋げる為よ! あなたのしようとしている事は会社の利益には繋がるでしょうけど、あなたのお給料に繋がるまでにどれだけかかるかしら?」
「それは…」
「あなたのしようとしてる事は自己満足だけ! 自己満足にそんなにお金掛けてどうするの!?」
自己満足…
そうかもしれない…
でも、専務が行っていた事を私が引き継ぎたかった。
「でもそんなあなたは嫌いじゃないわ? あなたは本当に麗美堂が好きなのね?」
「はい大好きです! ですから自分の仕事に誇りを持っています」
津寄与ママは私もよと言って笑った。そして
「私達の店は高級クラブ、座るだけで10万と言う店もあるわ」
座るだけで10万!?
私は目を丸くして驚き恭子ママを見たら恭子ママは苦笑して頷いた。
マジですか??…
じゃ、最初に行った時は烏龍茶1杯だったけどいくら?
昨夜は少し飲んだ…いくらだったんだろう?
請求書は回してくれる様に頼んだけど大丈夫かな…
恐ろしい…
「それでもお客様は大金を払って来て下さる。だから私達は最高のサービスと最上級のおもてなしで、ほんの少しの間でも煩わしい事を忘れて楽しんで頂けるように私達は努力しているの」
津寄与ママの誇りの強さが伝わる。
「今回は頂くけど今度からは持って来なくていいわ」
え?
「あなたが誇りを持ってしようとしているのにそれに対価を払わずに居るのはおかしいでしょ? それにとっくに麗美堂のランジェリーが良い物だというのは分かってるわ。 だからこれからは自分で買うわ! 勿論、今まで通りアンケートハガキは送らせて貰います」
そして津寄与ママは私の評価は辛口よと笑った。
他のママ達からも
お店の子達にもちゃんと話しておくわ!友達にも宣伝するように。と言ってくれた。
麗美堂の物が一番いいからと。