専務に仕事をさせるには
「ところで、要と連絡取ってる?行方不明になった荷物の調査をしてるらしいけど?」
専務達が中国へ向かってから10日になる。
夜、ほぼ毎日の様に電話は掛かって来ているが、グレースに居る間に掛かって来ている為、一度も話していない。
仕事の話なら、勤務時間内に掛かって来るだろうし、夜しか掛かって来ないと言う事は、大した用では無いのだろう。
だから、私も時間に余裕がないから、こちらから掛けなおす事はしていない。
「いえ…その件については、私は何も聞かされてませんので…」
「そうなの?寂しいわね?」
「秘書として頼りないですから…仕方無いです。こんな頼りない私で社長にもご不便をお掛けして申し訳ないと思っています。早く、室長が帰って来て下さると良いのですが…」
鈴木さんの言った様に私は未だに秘書として役立たずだ。
給料泥棒と言われても仕方無い。
「あら、私は不便など感じてないわよ?私の予定の調節は見事なものだし、履歴書の通り、あなたの語学力も素晴らしいわ!先日のイタリアへ送った書類も見事な物だったわ!お陰で来月こちらに来日するらしくて、その時に話を聞きたいと、アルヴェルトの秘書の方から昨夜連絡が合ったの」
うちの会社は女性下着は業界でもトップクラス、それに比べ当社の男性物は認知度が低い。
その男性下着を社長はイタリアのメンズブランド、【BACIO】とコラボ出来ないかとアポを取ろうとしていたのだ。
バーチョは最近日本でも密かに人気を上げてきてるブランドで、こことコラボできれば若い世代の男性にも会社(うちの)認知度は期待出来るだろう。
だが、社長は英語は話せてもイタリア語は分からないからと、私に書類を作る手伝いをさせてくれた。
「そうですか、お役に立てて良かったです」
「あっそれから、来日された時の為に、アルヴェルトの事調べて置いてくれる?会食の場を設けるつもりだから!その時は瀬戸さんも同席して貰うから宜しくね?」
アルヴェルト・ヴェルガーニ、元々はモデルだったが、自ら立ち上げだメンズブランド【BACIO】の経営者兼デザイナーとして活躍している。
「はい、承知しました」