専務に仕事をさせるには
ん?
「パズルじゃが?」
それがどうしたと、言わんばかりの爺さんの顔。
それは正月に家族写真を撮った物を鈴々がパズルにしてもらった物だった。
爺さんが鈴々の隣に列ぶ俺と自分の顔の部分のピースを無理矢理入れ替えようとしていたらしい。
このジィジィはアホか…
「副社長どうしたんですか?こんなに早く?どこか具合いでも悪いんですか?」
鈴々の俺を心配する顔、堪らん。
「そ…それは鈴々の事が心配でだな」
「まさか要、仕事を放っぽって来たんではあるまいの?次期社長ともある者、そんなんじゃいかんぞ?」
「うるせー!仕事はちゃんと片付けて来たよ!それよりジジィジィ!リンリンに馴れ馴れしいぞ!?」
「そりゃー仲良しだもんねー?スズちゃん」
ジィジィに「はい」と返事する鈴々に腹が立つ。
「リンリン、どう言うつもりだ!? 俺の事はいつ迄も名前で呼ばずに、ジィジィの事はきっちゃんって、おかしいだろ!?」
鈴々は俺の事をずっと専務と呼び、副社長になってからは副社長と呼んでいた。
エッチの時は違うが…
何度も呼び名を変えてくれと言ったが、秘書として側に居るから、仕事中に名前で呼んでしまわないかと心配だからだと鈴々は言っていた。
俺も鈴々を側に置いておきたくて、それを許して置いたのだが…
「だって副社長は副社長ですもの…」
「だったら、俺、副社長辞める!」
「えー副社長、何言ってるんですか!?自分の言ってる事分かってます!?」
「ああ、分かってる!リンリンが名前で呼んでくれないなら、副社長なんか辞めてやる!会社なんて継がねーよ!」
「あーそうですか?じゃ会社を辞めると?」
おっ家ではいつも可愛い鈴々だが、今、秘書の顔に変わったな?
さぁーリンリンどうする?
「ああ、辞めてやる!」
「パパは会社を辞めるんですって?でも、あなたは心配しないで、ママがひとりでもあなたを立派に育ててあげるからね?」
鈴々はお腹を擦りながらお腹に話し掛けている。
「え?鈴々?もしかして子供が出来たのか?」
「ええ、そうよ。体調が悪かったのは妊娠したから、でも、副社長は気にしなくて良いですよ?私が、ひとりで育てて行きます。どこか遠くでひっそりと、この子とふたりで生きていきます」
「スズちゃん… 大丈夫じゃ、わしがおる。わしが、スズちゃんも腹の子も面倒見るから心配しなくていいぞ?」と、爺さんは鈴々の腹に手を置いた。
「きっちゃん… 嬉しい…」
なっなんだ…この小芝居は??
「エロジィジィ、リンリンから離れろ!?腹の娘(こ)が妊娠する!!」
この時俺が発した言葉は間違っていなかった。
7ヶ月後、鈴々は可愛い女の子を産んでくれた。
2860gの元気な女の子。
鈴々の様に突っ走りる女の子にならないか、ちょっと心配だか、真のある女の子に育ってくれればいい。
真鈴(まりん)ママみたいに良い女になれよ。
おわり
