この広い世界で、2度目の初恋を

守ることの意味



次の日、球技大会のために更衣室でジャージに着替えようと上着を脱いでいた。


ーカラカラカラカラ


「それでねー、私笑っちゃって!」

「アハハ、美咲ウケるー!」


そこへ、三枝さんのグループがやってくる。

今日も騒がしいな……。

それに、あんな風に言い合って、顔を合わせるのが嫌だ。

素知らぬ振りで着替えていると、「あ」と三枝さんが声を上げて、私の隣で立ち止まった。

え、何……??

また何か、イチャモンつける気じゃ…。


「それ、どうして持ってるのよ…」

「それって………」


三枝さんの視線を辿ると、胸元にかけられたひまわりのとんぼ玉が揺れている。


「これのこと?」

私が掴んで上に上げると、三枝さんの空気がピリッとしたように思えた。


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