この広い世界で、2度目の初恋を



朝から重い気分のまま、私は支度をして学校へと向かう。

なんとなく、地面をキョロキョロと探してしまうのは、ペンダントが落ちてないかを探してるからだ。


「はぁ……」

こんな所にあるわけないのに……。

ため息をつきながら学校に到着すると、昇降口の前の花壇に頭を突っ込む生徒がいた。


「え……?」

見間違いかと思って二度見すると、やっぱりそこにいる。

登校してくる生徒も、何やら不審そうにチラチラ見ていた。


「ねぇーな、どこだよ……」


よく見ると、花壇から赤茶色の髪がチラッと見える。

あれって、まさか……。

なんとなく思い当たる節があって、私はその人物に近づいた。


「舵……くん?」

「えっ」

すると、バサッと花壇から顔を出した舵くんが私を見上げた。

「やっぱり舵くんだ……。どうしたの、こんな所で」

「あー……探し物っス」


罰が悪そうな顔をする舵くん。

まさか……私のペンダントを探してくれてるんじゃ…。



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