この広い世界で、2度目の初恋を
Chapter4

体がおぼえる恋心



樹くんの初恋が実ってから3日が経った。

私はというと、ことごとく話しかけてくる樹くんを避けている。

そして昼休みになった今も……。


「オイ、七海、昼メシ一緒に……」

「ごめん、約束があるんだ」


あの日、樹くんの初恋の人が三枝さんだと判明した日から、私は舵くんと屋上でご飯を食べている。


「約束ってなんだよ?最近、保健室で食ってねーよな?」

え……。

樹くん、私が保健室でご飯食べてないの知ってるんだ。

もしかして、保健室に私のこと探しに来てくれてる?



「樹くんには、関係ないよ……」


あぁ、樹くんの優しさが、今は辛くて辛くてたまらない。

早く、離れなきゃ……。

お弁当を持って立ち上がる私の腕を、樹くんが掴む。


「は、離して……」


どうして、私に関わろうとするの。

その度に、樹くんを忘れられなくて、辛いんだよ。

三枝さんがいるのに、私に優しくしたりしないで……っ。




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