久遠の愛と約束を

帰ってからそのままの格好でベットで寝てしまい、私は数年ぶりにひどい風邪をひいた。



お陰で祖父母の家にも行けず、紅白もカウントダウンも、年明け恒例の番組も全部布団に入ったまま。



文字どおりの寝正月だった。




全部嘘だと思いたいけど、枕元に置いた瑞輝からのネックレスだけは、あの日と変わらない輝きを放っている。





「瑞輝…どうしてるんだろ…」



寝ても覚めても瑞輝の事ばかり。



そして私は瑞輝について何も知らないことに今更ながら気づいた。
連絡先すら交換してない。


『バレたらマズイからね』


ねぇ、瑞輝…もうバレちゃったんだからいいじゃん…。




風邪をひくと怖い夢を見るってよく言われるとおり、
私は何度も瑞輝が離れていってしまう夢を見て、何度も魘(うな)された。







お願い、瑞輝……離れていかないで………






そこで私はいつも目を覚ました。





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