久遠の愛と約束を
…とは言ったもののなかなか作品は決まらず、既に5分以上が経っていた
「奥田、5分経ったぞ」
「ま、待ってくださいっ
うーん…じゃこれにします、決めました」
私の好きな教科の一つでもある古文。
中学生の頃に通っていた塾の深沢(ふかさわ)先生という女の先生の影響で古文が好きになった。
結局選んだ作品は和風シンデレラの別名を持つ『落窪物語』
『阿漕ちゃんが健気でいいのよね〜』
と深沢先生も一押しの作品だった。
「へぇ、落窪物語か。
懐かしいな」
「先生も読んだことあるんですか?」
「もともと国語の教員志望だったからね
成り行きで日本史になっちゃったけど。」
落窪物語を貸し出しにするために私の手から本を取り、先生は慣れた手つきでコンピュータを操作する。
「はい、貸し出しにしたから。
ちゃんと課題やれよ…って、奥田に言う心配ないな。」
差し出された本を受け取ろうとするとそのまま手を握られる。
「え。せ、先生…?」
「あぁ…ごめん。
奥田があまりにも可愛くて、つい」
先生の手がそっと離される。
可愛くて、なんて真面目な顔をして答えるから思わず顔が火照る。