another新撰組・1
「は、はいっ。あ、いえっ。まだ一年位です。」

あたふたとして、言葉にまとまりがない。

こんなコが、何年かしたら、あんな女になるのだから、遊郭は恐ろしい。

これで、武器の使い方を教えたら、さぞ立派な、くの一が大量に生まれるだろう。

「そうそう。手伝いの駄賃を忘れたね。」

俺は紙包みを渡す。

「え。あ、あの。・・・ありがとうございます。」

驚きの後に、はにかんだ笑顔は、本当に嬉しそうだ。

・・・多分、少女からしたら相当な額だろう。

純粋に喜んでいるのに悪いが、餌にするには丁度いい。

「・・・君は、ずっと彼女付きなのかい?」

「え?あ、明里姐さまですか?はいっ。いつも手伝わさせて貰ってます。」
< 58 / 65 >

この作品をシェア

pagetop