「15―イチゴ―」

何で──…

何で葵本がここに──…?


姿を見た瞬間、ドキドキが止まらなかった──…。


来るとか聞いてねぇよ──…


あっ──… 章吾か!?


だから今日───…


葵本と古河は目の前で
他愛ない話をしていた──…。


「──…葵本が来るなんて聞いてないんですけど?」


そんな2人に気付かれないように自然に肩に手をまわして、章吾だけに聞こえるように呟いた。


「言ってねーもん。」

小声で返してきて、
いつもの笑顔を向けてくる。


──…言ってねーもんって
そんな笑顔で言われても。


や、確かに聞いてないけど──…


あ、あれ──…??


まだ理解が出来てない俺の頭の中ではパニックが起きていた。
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