「15―イチゴ―」

「おっ、屋台出てるじゃん!」

「なんか食べよーぜっ」

そう言って駆け出していく浅井くんと枝崎くん。

「待ってよーっ」

その後ろを追いかける春菜と香歩。


「イチゴ飴、食べる?」

春菜たちが走って向かった隣の屋台を指さして、
野上くんがあたしに向かって聞いてくれた。


「あっ…、うん」


少し微笑んでくれた表情にドキドキした──…。


お金を出そうとしたら、先に払ってくれて、なんだか申し訳なかった。


野上くんが買ってくれたイチゴ飴──…


なんだか食べるのがもったいなくて、
大げさかもしれないけど、宝物にしたかったぐらいだよ──…
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