「15―イチゴ―」

ゲームセンターの外に出ると、すでに夕暮れになっていた。


「なぁ、もし、はぐれた時の為に連絡先、交換しとこー?」

隼人の言葉を聞いて、皆が一斉に携帯を取り出した。


少し頬を赤く染めた葵本が振り向き、近付いてくる──。


【葵本 苺 登録しました】

葵本の番号とアドレスを登録したことを携帯が知らせてくれた。

その画面を見て、嬉しくてたまらなかった。


「適当に乗っていいよー」

誠也の言葉に、女子が後ろにそれぞれ乗り始めた。


俺の後ろは、葵本だった──。


「ごめん、重いよね?」

「そんなことないよっ!
むしろ、軽いぐらい?」


自転車を走らせている最中、葵本が遠慮がちに言いながら服の裾を持っている。


───…可愛いなぁ。


そう思いながら自転車を走らせていると、港に着いた。


すげー人───……。

祭りに着いた瞬間、皆が思ったことは同じだったと思う──。


それぐらいすごい人の数だった。
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