白球に想いを
準備室に入って楽器を取りに行く。
小学校、中学校とやってきた楽器とはサヨナラをして、今手に持っているのはトロンボーン。
小学校からやってきたユーホニウムは、思い出すものが多過ぎるから、マウスピースが一緒のトロンボーンにしたのだ。
スライドはだいたい分かるし大丈夫かなという感じだ。
目を閉じれば、嫌でも思い出してしまう。
最後まで一つになれなかった木管と金管の無様な演奏。
私たちの代はどうにも賞に入れなかった。敗因はただ一つ。木管と金管の調和がなっていない。
よく聞く話だが、音楽とは心の面も出てくるのだ。仲が悪かったら、ギスギスして聞き心地の悪い音楽になる。
例え個々の技術がそれぞれ上だったとしても、それはただの自己主張が強すぎるだけにしかならない。
【音楽】を構成する中で、自己主張が強すぎるのは最悪だ。もっと周りと調和しなくてはならない。
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